こと座 Lyra

日本では七夕の「織姫星」としても知られるベガが目印。
夏の大三角の中でもひときわ明るく輝いています。

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白鳥の頭の右下あたり、青白く美しい0等星ベガをもつのがこと座です。
ベガは全天で5番目に明るい星なのですが、
なぜ1等星、2等星という言い方でなく0等星かと言うと、
このベガは星の明るさ、つまり等級の基準になっているからです。
すべての星は、ベガと比較して等級を決められているんですね。
さて、こと座はその名の通り、竪琴の形をしています。
初めは、ちょっとわかりにくいですが…
やや小ぶりなひし形なのでそう見えないこともないですね。

ベガ以外の星が暗いので少し形をとりにくいかもしれませんが、
1度覚えてしまえばすぐに見つけられます。

ところで、この竪琴には、悲しい神話があるのです。

琴の名手オルフェウスは、亡くなった妻エウリディケのことが忘れられず、
あの世の国へ出かけていきました。
本来なら生きた人間が入ることも許されない冥界。
しかし彼の琴の音を耳にし心を打たれた冥界の王ハデスは、
特別にオルフェウスが妻を連れ戻すことを許します。
それには条件がありました。
「冥界を出て帰り着くまで、後ろにいる妻を決して振り返ってはならない。」
オルフェウスは妻が後ろからついて来ていると信じながら来た道を引き返します。
しかし、足音も声もしません。不安でたまらなくなったオルフェウスは、
あと1歩のところでついに振り返ってしまうのです。
そこには悲しそうな顔をした妻の姿がありました。
「なぜ振り返ったの?」そうつぶやくと、彼女は消えてしまいました。

オルフェウスは狂ったように彼女を探し回りましたが、2度と彼女が
あらわれることはありませんでした。
愛する妻を2度失った彼は、以後、ぱったりと琴を弾くのをやめてしまいました。

オルフェウスの死後、彼の話に心を痛めたゼウスが琴を天に上げ、
星座にしたのでした。

この神話、どこかで聞いたことはないでしょうか?
不思議なことに、あの、日本最古の小説「古事記」に
そっくりな話があるんですよね。
この手の「見てはならぬ」系統の昔話というのは世界共通なのでしょうか(^_^;)
さてこと座と言えば、星好きの方が見逃せないのは環状星雲M57。
暗いし小さいしで、双眼鏡ではうっすらわかるかわからないか?
望遠鏡で見てみたい(^_^;)

倍率の高い望遠鏡で見ると、わっかの形をしていることから
リング星雲とかドーナツ星雲などと呼ばれ人気の高い星雲だそうです。